女性の不調 辞典

毎日を元気で気持ちよく過ごすために 知っておきたい3つのキーワード

病気を意識するほどではないけれど、つらくて不快な体の不調。たとえそれが一時的におさまっても、別の不調が出てきたり、冷えから肩こり、便秘が起こるといった具合に1つの不調が次々とほかの症状を引き起こすことが少なくありません。

私たちの体には、ホメオスタシス(恒常性維持機能)というものがあって、体の状態を常に一定に維持してくれています。このホメオスタシスが保たれていれば、心と体が「元気」をキーブできます。逆にホメオスタシスがくずれたときに、心や体にさまざまな不調があらわれたり、病気を引き起こすことになるのです。そのホメオスタシスを維持しているのが、「ホルモン(内分泌)系」、「自律神経系」、「免疫系」という3つの機能。これらの機能は、大脳にある「視床下部」という場所が司令塔となってコントロール。3つの機能が互いに作用しあいながら体の健康を守っているのです。

だから、まずは心と体の「元気のポイント」となるホルモン、自律神経、免疫の3つの働きをしっかりと知っておきましょう。そして、これらの機能の働きが乱れないように対策をたてることが、根本的な不調解消の早道になります。




1
Point
女性ホルモン

「男性にくらべて女性に体の不調が多いのはなぜ?」そんな疑問をもったことはありませんか。そのカギは女性ホルモン。

女性ホルモンには大きく分けてエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、月経を区切りとして2つのホルモンがふえたり減ったりを繰り返して、月経のリズムがつくられています。

2つのホルモン変化で起こる、好調期と不安定期

月経後に分泌が高まるエストロゲンは、妊娠させやすいように子宮や卵巣の働きを高めるホルモン。皮膚にかかわる細胞のほとんどを活性化させる作用をもっているので、月経直後の肌は張りとツヤが出てメイクのノリもよくなります。また髪の成長をうながしたり、皮下脂肪の再生を抑えたり、気分を明るくし、記憶カを維持する作用もあります。さらに骨を強くしたり、コレステロールの蓄積を防いでくれるのもエストロゲンの働き。女性の健康をさまざまな形で守ってくれるホルモンなのです。

一方、排卵後から分泌が高まってくるプロゲステロンは、受精卵が着床しやすい状態になるように働きかけるホルモン。妊娠したときには、胎児と母体を守る大切な働きをしてくれます。ブロゲステロンには体内の水分を保持したり、食欲を増進させる働きがあります。

したがってこのホルモンの分泌が高まる月経前は、体がむくみやすくなったり体重も増加しやすい傾向がみられます。

また、乳腺の発育をうながす作用があるので、月経前は乳房の張りが気になる人も多いはず。精神的にも不安定になりやすく、イライラしたり落ち込んだりする人も少なくありません。

このように女性を元気にしてキレイにするのがホルモンなら、心や体に変調をもたらす要因となるのもホルモンです。心も体も好調な時期と、不安定になりやすい時期のリズムをつかんでおくと、毎日の暮らしをもっと快適に過ごせるようになります。

女性にとって重要な女性ホルモンを出しているのは卵巣。その卵巣に「ホルモンを出しなさい」と命令しているのが、脳にある視床下部です。ですから、ストレスや環境の変化などにより脳機能が影響を受けると、ホルモンのコントロールにも影響があらわれ、月経周期が乱れたり、月経が止まることがあります。

無月経になって「わずらわしい月経がなくなりほっとした」と思う人もいるようですが、月経が止まるということは、女性の健康と美しさを支えるエストロゲンの分泌が急激に低下していることを意味します。さらに不妊の原因になったり、骨粗鬆症になる可能性も高くなります。自分の体のリズムに敏感になって、自己管理をしていきましよう。

2
Point
自律神経

頭痛がする、だるくてつらい、動悸が激しいなど、体の調子が悪いのに病院で検査をしても何も異常がない……こんなときは、周囲からも「気のせいだから」といわれて落ち込むことが多いものです。病気が原因ではないのにいろいろな不調を起こす場合、病院で「自律神経失調症」という診断名がよくつけられます。でも、なぜこんな 不調があらわれるのでしょうか。

自律神経は、意思とは無関係に呼吸や消化、体温、脈拍、血圧などを自動的にコントロールして一定に保つ働きをしています。たとえば、暑くなると汗をかいて体温を下げたり、緊張すると動悸が速まったり、また食事をすると胃が動き出すのも自律神経の働き。眠っているときに呼吸が止まらないのも自律神経のおかげなのです。

自律神経には、体を緊張させて活動性を高める交感神経と、体を休めて体カを回復させる副交感神経があります。この2つの神経のスイッチを切り替えているのは、脳の中の司令塔である視床下部。必要に応じて、一方が活発になりすぎると、もう一方にブレーキをかけたりと適度なバランスをキーブしているのです。

3
Point
免疫

かぜにかかってもすぐに治る人もいれば、なかなか治らない人もいます。また、花粉症やアトピーにまつたく縁がない人もいれば、つらい症状に一年中悩む人も。その差はどこからくるのでしよう。そのナソをとくカギは体の免疫力にあります。

そもそも免疫カというのは、人間の体が本来備えている外敵をやっつけるカのこと。人間の体には、体内に侵入したウィルスや細菌などを「異物」と判断して攻撃するさまざまな防衛ネットワークがあって、24時間体制で私たちの体を守ってくれています。

この免疫カは20歳をピークに徐々に低下。さらに毎日の生活の中で受けるストレスや、栄養がかたよった食事、睡眠不足や運動不足などの生活習慣、大気汚染や食べ物に添加されている化学物質などが免疫カを弱める要因になります。

免疫カが低下すると、疲れやすい、口内炎になりやすい、下痢をしやすいといった症状が出て、かぜなどさまざまな感染症にかかりやすくなります。また、がんなどの大きな病気のきっかけにもなるので油断は禁物です。

免疫は過剰に働いても病気を引き起こします。その代表格が「現代病」といわれる花粉症やアトピー、ぜんそくなどのアレルギー疾患。「自分の正常な細胞にも攻撃をしかけてしまう」自己免疫疾患なども、免疫の異常で起こる病気です。とくに甲状腺の病気は、若い女性でもかかりやすいので油断できません。女性に多い便秘や冷え性、 肌荒れなどの不調は、こうした自己免疫疾患が関係していることもあります。たかが「不調」とあなどってはダメ。不調が続くときには、念のために受診しましよう。

体を守る免疫防衛ネットワークの主役となって働くのが、血液中の白血球に含まれる免疫細胞。おもな免疫細胞には「顆粒球」と「リンパ球」があって、これらの免疫細胞の数が正常な範囲にあるときに、十分な免疫カを発揮できます。

最近、免疫学で注目されているのが免疫カと自律神経の関係です。免疫細胞のうち穎粒球は、活動型の交感神経が優位になるとふえ、リンパ球はリラックス型の副交感神経が優位になるとふえることがわかっています。つまり、自律神経のバランスがくずれると、免疫細胞の数のバランスもくずれて、免疫機能がきちんと働かなくなって しまうのです。

ホルモン系、自律神経系、免疫系はお互いに影響しあっています。体の不調はこれらの機能に何らかの問題があることが多いもの。次ページからの「生活見直し8つのポイント」を参考にこれら3つの機能のバランスを整えていきましょう。