冷え性

なぜ冷え性に?

自律神経の乱れが冷えの原因

「手足が凍えそうなくらい冷たい」とか「腰が冷えて痛いくらい」と訴える「冷え」とは、実際に体内の温度(体温)が低いわけではありません。なのにひどく寒く感じるのは、気温が下がるにしたがって体温のコントロールができずに、表面の手足や腰などの局所の皮膚温が下がってしまうためです。

これは体温の調節をしている自律神経が乱れて、血管の収縮がスムーズにいかなくなり、血行障害を起こすせいです。不規則な生活や精神的ストレスが引き金になります。自律神経はホルモンとも密接に関係しています。月経前や月経中などホルモンが変調をきたしやすいときには、自律神経も乱れ、冷えの症状が周期的に出ることがあります。「月経中は冷える」「月経の10日前ごろに冷えを感じる」というのはそんな理由からです。

冷えが原因で、肩こり、腰痛、膀胱炎などに

冷えは病気ではありません。ひとたび冷えると、なかなかもとに戻りにくい「冷え体質」と考えればいいでしょう。とはいっても、冷えは本人にとっては非常につらいもの。また、冷えが原因で、頭痛、肩こり、腰痛、下痢などの症状や膀胱炎、腎臓病、胃涸瘍、関節リウマチなどの病気になることもあります。

逆に、甲状腺の異常や動脈硬化が原因で冷えが生じることもあるので、たかが冷えなどとはいっていられません。あまりつらいようなら、一度、内科や婦人科を受診しましょう。

なお、冷えは寒いばかりとはかぎりません。冷えの初期は、血液の循環をよくして皮膚温を正常にしようという体の働きで、熱を生み出すので、「頭熱足寒」の状態になり、手足は冷えるのに顔はほてってポッポとしていることもあります。

体の中からあたたまるよう自律神経を整えます

冷えには体の表面を保温するだけでなく、体の中からあたたかくなる工夫が大切です。それには食事や運動、入浴、セルフケアなどで血液の循環をよくしてやり、冷える体質を変えることです。また、ダイエットや偏食による極端なやせは、冷えを起こしやすくなります。規則的な生活リズムで、自律神経を整えることも必要です。

こうして冷え性を改善

体をあたためる食事

とうがらし、ニンニク、クリ、クルミ、小麦粉、大豆、ニラ、ニンジンなど根菜類、ホウレン草、ピーナッツなどの食べ物を積極的にとります。

血行をよくする運動

駅まで歩く、エレベーターは避け、階段をのぽるなど体を勁かす工夫をしましょう。寝る前にストレッチなどの軽い運動をして、血行をよくするのも効果があります。

体を冷やさない食事

夏でも熱いお茶を飲みます。食事も、たとえば、ソバはもりよりかけソパにして、体を冷やさないようにします。

冷えを防ぐ服装

体を冷やす前に早めに対策を立てましょう。夏でも冷房中ならレッグウォーマーやカーディガンなどで保温します。冬は下着を2枚重ねて冷えを防ぎます。ミニスカートは冷えの原因になります。

室内環境

冷房も暖房も室温と外気温の差を5度以内にします。窓を閉めっぱなしにしないように、ときどき換気して空気の流れをよくし室内を浄化しましょう。

体を締めつけない

体を締めつけると血行が悪くなり、冷えの原因になります。ブラジャーなどの下着による締めつけ、ロングブーツによるふくらはぎの締めつけに注意しましょう。ブーツはゆったりしたタイプのロングブーツにするか、ショートブーツにします。

冷え性のセルフケア

入浴

冷えた体を体の芯からあたためるには何よりお風呂が効果的。体が冷えていると、つい熱いお風呂に入りがちですが、熱いとゆっくりつかれないため、体の表面しかあたたまりません。冷え撃退には、37~40度のぬるめのお湯にゆったりとつかるのがポイント。さらに半身浴にして、熱いお湯と冷たい水を交互に浴びる「温冷浴」がおすすめ。温度差のあるお湯を交互に浴びると、血管が広がったり縮まったりして血行がよくなります。

  1. ぬるめのお湯に心臓より下の部分だけつかる半身浴で、下半身を集中的にあたためると、全身がボカボカに。寒い季節には、扁にタオルをかけて入浴を。
  2. 浴そうから出て、手足に冷たいシャワーをかける。その後、ゆっくりとお湯につかる。これを4~5回繰り返します。

入浴後は……

  • 髪はすぐに乾かす。
  • 溥着をしない。
  • 靴下をはく。

ハーブ

体の内側からあたためるには、ハーブティーもおすすめです。心も体もホカホカしてきます。なかでもジンジャーの発汗作用は有名で、かぜのときには古くからしようが湯を飲む習慣があります。

ティーで

ジンジャー

血液循環を改善し体をあたためます。

ローズヒッブ

強壮作用がありビタミンCも豊富。

リンデン

神経をしずめ、体をあたため発汗をうながします。

部分浴も効果的

かぜをひいてお風呂に入れないときは、バケツや洗面器にお湯を張り、足だけをあたためるフットバスや手だけをあたた
めるハンドバスも効果的。

漢方

東洋医学では、冷えは体の「水(すい)」と「血(けつ)」の流れがとどこおって起こると考えられています。漢方では、これらを改善し体の内側からあたためることで冷え性を治していきます。

当帰しゃく槃散(とうきしゃくやくさん)

体力のない人に。腰痛のほかにも、冷え、頭痛、肩こり、貧血、けん怠感、月経前緊張症、月経痛も改善します。

当帰四逆加呉莱莫生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

お風呂に入っても冷えがとれない亜症の冷え性の人におすすめ。腰痛、冷えや頭痛なども改善します。

加味逍遥敞(かみしょうようさん)

あまり体力がない人で、顔や上半身はほてっているのに、足など下半身が冷えている、いわゆる「冷えのぼせ」のある人に効果があります。寝つきの悪い人にも。 など

ツボ押し

体の血行をうながすには、ツボ押しも効果があります。くるぶしの下にある照海(しようかい)やかかとにある失眠(しつみん)などの、冷えによく効くツボをじんわり押して、下半身の血行をよくしましょう。腰にある次りょうのツボは、カイロなどであたためましょう。